知っておきたいアスベストの健康被害!見えないリスクとその影響

公開日:2025/09/15
知っておきたいアスベストの健康被害!見えないリスクとその影響

かつて建材などに広く使用されていたアスベスト(石綿)は、吸い込むことで深刻な健康被害を引き起こすことが知られています。目に見えない繊維が肺に入り込むことで、長い潜伏期間を経てさまざまな病気を引き起こすリスクがあるのです。本記事では、アスベストがもたらす代表的な健康被害や、その特徴について紹介します。

アスベストはいつまで使われていたのか?使用禁止までの流れ

かつて多くの建材に使用されてきたアスベストですが、健康被害が明らかになるにつれ、徐々に規制が強化されていきました。以下では、アスベストの使用がいつまで認められていたのか、その経緯と背景をわかりやすく解説します。

アスベストが重宝された理由

アスベストは、耐火性・断熱性・防音性・耐薬品性などに優れており、しかも安価で加工しやすいという特徴があります。そのため、建材を中心に幅広い用途で使用され、住宅の屋根材や外壁、公共施設や工場などの柱・梁・天井・床下地などに利用されていたのです。

とくに吹付け材や断熱材、吸音材、耐火被覆材として使われることが多く、その使用は一般住宅から大型ビルまで多岐にわたっていました。

いつから禁止されたのか

アスベストの使用禁止は段階的に進められてきました。1975年には、含有率5%を超える吹付けが原則禁止され、1995年には基準がさらに厳格化されて1%超の吹付けが原則禁止になりました。

2004年には、建材や摩擦材など10品目の製造・使用が禁止されました。そして2006年、ついに0.1%を超えるアスベスト含有製品の製造・使用が全面的に禁止され、事実上アスベストは完全に市場から姿を消すこととなったのです。

アスベストが引き起こす主な病気とは?潜伏期間と健康被害

アスベストを吸い込むことで起こる健康被害は、すぐに症状が出るわけではなく、数十年の潜伏期間を経て発症するのが特徴です。過去にアスベストを扱う仕事に従事していた人だけでなく、周囲の家族や近隣住民にも影響が及ぶケースがあります。以下では、アスベストが原因となる主な病気について紹介します。

中皮腫や肺がん

アスベストによる健康被害の中で代表的なのが「中皮腫」と「肺がん」です。中皮腫は、肺や腹部の臓器を包む膜に発生する悪性腫瘍で、発見されたときには進行していることが多く、治療が難しい病気とされています。

もうひとつの肺がんも、アスベスト繊維を長年にわたり吸い込むことで引き起こされます。繊維が肺の奥に入り込み、慢性的な刺激を与え続けることで発症すると考えられています。これらの病気は、アスベストばく露から20〜40年という長い潜伏期間を経て現れるのが特徴です。

びまん性胸膜肥厚などのその他の病気

アスベストが原因で発症する病気には、びまん性胸膜肥厚もあります。これはアスベストによる胸膜炎の後に、胸膜が癒着して厚く硬くなる病気です。肺の動きが制限され、息苦しさなどの呼吸障害を引き起こします。

また、アスベストばく露により良性の胸膜斑(胸膜にできる硬いしこり)や胸水(胸膜腔に液体がたまる状態)なども生じることがあります。アスベストを扱う仕事だけでなく、作業着に付着した繊維や空気中の浮遊繊維を吸い込むことで、家族や住民にも健康被害が及ぶことがあります。

アスベストの健康被害に対する給付金制度とは?国の救済制度

アスベストによる健康被害は、被害に気づいたときにはすでに重篤な状態になっていることも多く、長年にわたり国が補償や救済の制度を整えてきました。仕事でアスベストにさらされた方やその遺族を対象に、複数の給付金制度が用意されています。ここでは、代表的な制度とその内容について紹介します。

労災保険制度

仕事が原因でアスベストによる健康被害を受けた場合は「労働者災害補償保険制度(労災保険)」の対象となります

これは労働中にアスベストを吸い込んだことによって発症した中皮腫や肺がんなどの病気、あるいはそれに起因する死亡に対して、医療費や休業補償、遺族への給付金などが支給される制度です。

労働者やその遺族の経済的負担を軽減するための重要な制度となっています。

石綿健康被害救済制度

労災保険の対象とならない方でも救済を受けられるのが「石綿健康被害救済制度」です。2006年に施行された「石綿健康被害救済法」に基づき、中皮腫や肺がんなどの病気で療養中の方には医療費や療養手当が支給されます。

また、該当する疾患で亡くなった場合には、遺族に対しても遺族補償給付金が支給されます。労災に該当しない環境で被害を受けた方にとって、重要な支えとなる制度です。

特別遺族給付金制度

「特別遺族給付金制度」は、労災保険の時効により給付を受けられなかった場合に設けられた救済措置です。アスベストによる健康被害で亡くなった労働者や特別加入者の遺族が対象となります。

労災保険の遺族補償を時効などで受け取れなかった場合でも、この制度によって一定額の給付を受け取ることが可能です。時間が経過しても救済を受けられる可能性があるため、確認しておくことが大切です。

まとめ

アスベストは長年にわたり建材などに広く使用されてきましたが、その有害性が明らかになるにつれて段階的に使用が禁止されました。発症までに数十年かかる病気もあるため、今なお被害は続いています。こうした背景を受け、国は労災保険や救済制度を通じて補償の仕組みを整備しています。もしアスベストによる健康不安がある場合は、制度の内容を知り、早めの相談や申請を検討することが大切です。

 

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引用元:https://kankyoukougai.jp/description/asbestos/

引用元:http://www.cosmokankyoeisei.co.jp/works/asbestos.html

引用元:https://www.ttc-web.com/services/p775/

引用元:https://asbestos-nagoya.com/

引用元:https://www.chousabunseki.co.jp/
会社名 環境公害センターコスモ環境衛生コンサルタント東海技術センター太平産業アスベスト調査分析
特徴約50年にわたり、分析・測定・調査によって社会問題解決に取り組んでいる。自然環境問題以外にも、社会環境問題などに取り組み、環境リスク低減に貢献。「環境」「製品開発・品質」「土木・建築」の3つの分野のサービスに対応した、東海地域を中心に環境保全や製品品質管理をおこなう中核機関。ISO/IEC17025試験所認定分析室と連携し、スピーディーなアスベスト調査を実現。最新の機器を使用した検体分析だけではなく、JISA1481-1と電子顕微鏡のダブルチェックでアスベストを見逃さない検査を実施。
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