アスベストのみなし判定について詳しく解説

公開日:2026/02/15 最終更新日:2026/02/19

みなし判定

アスベストの含有判断には通常、分析機関による検査が必要ですが「みなし判定」では検査を行わずアスベスト入りと見なして扱います。本記事では、みなし判定を行う際の注意点や、アスベスト含有産業廃棄物を安価に処理するために検討すべきポイントなど、実務で役立つ情報をわかりやすく解説します。

そもそもアスベストとは

アスベストとは、天然に存在する鉱物繊維の総称で「石綿(いしわた)」とも呼ばれます。日本では安価で耐久性に優れた建材として広く使用され、特に高度成長期の60年代には、ビルの高層化に伴って建築資材として大量に利用されました。主に使用されていた種類はクリソタイル、アモサイト、クロシドライトの3つです。

アスベストは熱や摩擦、酸・アルカリにも強く、変質しにくい性質を持つため、断熱性・耐火性・防音性・絶縁性に優れており、建材だけでなくブレーキパッドや水道用高圧管、シール材、ジョイントコードなどの工業製品にも幅広く使われました。

しかし、微細なアスベスト繊維が空気中に飛散すると人体に深刻な影響を及ぼすことが判明しており、肺がんや中皮腫などの健康被害につながる可能性があります。潜伏期間が長いことから「静かな時限爆弾」とも呼ばれ、アスベストに関わる作業には十分な注意が必要とされています。

アスベストの危険性と除去方法

アスベストは空気中に飛散した微細な繊維を吸い込むことで、肺がんや中皮腫、石綿肺など重篤な疾患を引き起こす危険性があります。そのため、アスベストの除去作業には発じん性に応じたレベル分けが設けられており、適切な曝露防止措置が義務付けられています。

レベル1

レベル1は発じん性が著しく高く、石綿含有吹き付け材の除去作業が該当します。この場合、作業場所の隔離や防塵マスク、保護具の適切な使用が必須です。

レベル2

レベル2は発じん性が高い保温材や断熱材、防火材などの除去作業が対象です。レベル1と同様の対策が求められます。

レベル3

レベル3は発じん性が比較的低いその他の石綿含有建材に対する作業です。粉砕や破砕時には発じんが発生するため、湿式作業による湿潤化や保護具の着用が原則となります。

アスベストのみなし判定の考え方

アスベストを含む建材は、工場や住宅の建て替え・解体の際に必ず廃棄物として発生します。アスベストは人体に深刻な健康被害を与える恐れがあるため、廃棄物処理業者は含有の有無を厳しく管理しており「不含有の証明」がない場合、受け入れを拒否されることもあります

その一方で、近年では「分析を行わずにアスベスト含有として処理する」方法、いわゆる『みなし判定』が注目されています。みなし判定とは、建材のメーカーや製造年代などから「高い確率でアスベストが含まれている」と判断し、分析を行わずにアスベスト含有扱いで処分する考え方です。

みなし判定に関するトータル費用の考え方

みなし判定を活用する上で重要なポイントのひとつは、トータル費用の考え方です。一般的には、アスベストの処分費用は分析費用や試料採取費用よりも高額であることが多く、含有の可能性が高い建材に対して分析を行うと採取・分析費用に加えて処分費用も発生するため、総額はさらに高くなりがちです

このような場合、みなし判定を用いることで分析費用を削減でき、効率的かつ経済的に処理することが可能です。逆に、アスベスト含有の可能性が低い建材に対してみなし判定を行うと、含有が確認されていないにもかかわらず高額なアスベスト処理費用を支払うことになり、コスト効率が悪化します。そのため、建材の種類や製造年代、量などを踏まえて、含有確率に応じて分析を行うかどうかを慎重に判断する必要があります。

ほぼ確実にアスベストが含まれている建材なら分析を行う必要はない

環境省が発行する「建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル」によると、年代やメーカーなどの情報から石綿含有の有無を推定できない場合にのみ、実際に試料を採取して分析を行い、最終判断をすることが推奨されています。つまり、ほぼ確実にアスベストが含まれている建材に関しては、分析を行う必要はなく、処理費用は分析の有無にかかわらず変わらないとされています。

一方で、含有の可能性が一定以上低い場合は、分析を行い「不含有」と判定されれば、通常の産業廃棄物として扱うことができ、処理費用を大幅に抑えることが可能です。このため、分析を行うかどうかは、建材の量や含有可能性に基づいてケースバイケースで判断することが重要です。

法令・業者のルールにも注意

さらに、みなし判定を活用する際には、法令や処理業者の対応ルールにも注意が必要です。分析を行わない場合でも、作業者や周囲への安全対策を講じることは必須であり、発じん性の高い作業では適切な防護具の着用や隔離措置を徹底する必要があります。トータルコストを抑えつつ安全に処理するためには、含有の可能性、処理量、作業条件、業者の受け入れ基準を総合的に検討し、最適な方法を選ぶことが求められます。

まとめ

アスベストは微細な繊維を吸い込むことで肺がんや中皮腫など深刻な健康被害を引き起こす危険性があるため、除去や廃棄には慎重な対応が求められます。通常は分析機関による検査で含有を確認しますが「みなし判定」を用いれば、年代やメーカー情報から高い確率で含有が推定できる建材を分析せずにアスベスト扱いで処理できます。これにより分析費用を削減でき、特に含有確率の高い建材では効率的で経済的な処理が可能です。ただし、含有可能性が低い場合は分析を行い不含有と判定された方がコストを抑えられることもあり、処理量や作業条件、業者の受け入れ基準を踏まえたケースごとの判断が重要です。安全対策と費用効率を両立させるために、みなし判定の活用は非常に有効な手段といえます。

 

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愛知県のアスベスト調査・分析業者比較表

イメージ
引用元:https://kankyoukougai.jp/description/asbestos/

引用元:http://www.cosmokankyoeisei.co.jp/works/asbestos.html

引用元:https://www.ttc-web.com/services/p775/

引用元:https://asbestos-nagoya.com/

引用元:https://www.chousabunseki.co.jp/
会社名 環境公害センターコスモ環境衛生コンサルタント東海技術センター太平産業アスベスト調査分析
特徴約50年にわたり、分析・測定・調査によって社会問題解決に取り組んでいる。自然環境問題以外にも、社会環境問題などに取り組み、環境リスク低減に貢献。「環境」「製品開発・品質」「土木・建築」の3つの分野のサービスに対応した、東海地域を中心に環境保全や製品品質管理をおこなう中核機関。ISO/IEC17025試験所認定分析室と連携し、スピーディーなアスベスト調査を実現。最新の機器を使用した検体分析だけではなく、JISA1481-1と電子顕微鏡のダブルチェックでアスベストを見逃さない検査を実施。
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